「くちづけ」
それは
貴女に違いなかった
少しずつ 貴女に近付く僕は
切なく震える鼓動に気付く
紗羅が目覚めてしまわないように
でも 貴女が その場所から消えてしまわないうちに
貴女に近付くにつれ
頬を雨のひとすじが
温かい涙と交じって伝う
初めて出会ったひとなのに
こんなにも 貴女が愛おしい
白い傘の中の貴女が
何かを抱きしめていた
僕は
さらに貴女に近づき
次の瞬間
そのくちびるに
そっと くちびるを重ねてしまっていた
貴女はためらうことなく
その柔らかく
でも冷たいくちびるで
僕を迎えてくれた…
「どうしてここにいるの?」
「紗羅ちゃんが濡れていると思って…」
くちびるが離れたら
そんな会話をするんだろうか
そっと 瞼を開けると
目の前の閉じられた
貴女のその瞼の下から
流れ落ちる雫が見えた
僕はその雫に
震える指で
触れていた…
by 花亀
《「ミスト・レイン」と言うカテゴリでストーリー・ポエムを載せています
ここで 1ストーリーが終わります》
それは
貴女に違いなかった
少しずつ 貴女に近付く僕は
切なく震える鼓動に気付く
紗羅が目覚めてしまわないように
でも 貴女が その場所から消えてしまわないうちに
貴女に近付くにつれ
頬を雨のひとすじが
温かい涙と交じって伝う
初めて出会ったひとなのに
こんなにも 貴女が愛おしい
白い傘の中の貴女が
何かを抱きしめていた
僕は
さらに貴女に近づき
次の瞬間
そのくちびるに
そっと くちびるを重ねてしまっていた
貴女はためらうことなく
その柔らかく
でも冷たいくちびるで
僕を迎えてくれた…
「どうしてここにいるの?」
「紗羅ちゃんが濡れていると思って…」
くちびるが離れたら
そんな会話をするんだろうか
そっと 瞼を開けると
目の前の閉じられた
貴女のその瞼の下から
流れ落ちる雫が見えた
僕はその雫に
震える指で
触れていた…
by 花亀
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